iPhoneの画面割れ修理と二重価格について

iPhone修理業界にまかり通っている悪き風習の一つに二重価格というものがあります。

このiPhone修理業界が日本で生まれて10年ほど経ちますが、その中でiPhoneの画面割れを修理してホームページの価格より高くてびっくりした方もいらっしゃるかと思います。

当iatQグループも、常々問題とは思っていましたが利益構造上仕方がない部分もあると思い、当グループも採用していました。
それでも可能な限りシンプルに。

軽度の画面割れ修理を定価として、重度の画面割れが1000円増しで営業させていただいておりました。

そもそも、この価格差にはどういった意味があるのでしょうか。

iPhoneの画面割れの重度、軽度で価格を変更する理由

実は、iPhoneの画面は軽度のガラス割れならガラスの張り替えを行えば再利用ができるのです。
ガラス面の張り替えだけなので、タッチセンサーや液晶などは全部純正のままというメリットがあります。

また、iPhone修理業が増える前は互換品のパーツ価格が高く、ガラスを張り替えた方が安くパーツの入手ができたのです。つまり液晶やタッチに損傷があるとガラスの張り替えができずに交換用パーツの仕入れ金額が高くなるので、重度のガラス割れのiPhoneは差額分、高い金額をつけていたのです。

そういった慣習を利用して重度は5000円増しなどという法外な設定をしているiPhone修理業者が散見されました。
今でも3000円程度の割り増しは普通に行われています。

当店でも実際の互換品とガラスの張り替えを行った際の差額で1000円割増でいただいておりました。

iPhoneの軽度の画面割れとはどういう状態なのか

当店にご来店されたお客様から伺った話では液晶(表示部分)に割れた線がかかっていない物を軽度としているようです。

つまり液晶の上に割れの線が走っていると軽度という判定にならない店舗が多いようです。
一応当店の基準では画面バキバキでも、パッとみて表示に乱れがなく正常にタッチができていれば軽度とみなしていました。

実際に、その基準でガラスの張り替えに出してもNGが出るものは数%程度だったので、ほとんどの場合は問題がないのです。

iPhoneの重度の画面割れとはどういう状態なのか

軽度の画面割れ以上のものが重度になります。

 iPhone 11

当店の基準ではタッチの反応が正常ではないものや、液晶が漏れている物などが重度の画面割れになります。
しかし、一部の店舗では、表示部分にヒビが1本あるだけでも重度の画面割れという扱いで割増料金が提示されています。

なんで、そういう状態がまかり通っているのか

前述したように、以前は画面をリサイクルして使う方がコスト的に良かったということと、現在では高品質パーツとしてこだわる方にランクが高い純正の画面ということで割り増しで販売することができるという修理店のメリットがあるのです。

リサイクルマーク

つまり、iPhoneの画面をリサイクルできないというのは修理店の利益が減ることを意味しています。

そして、その不利益を最低限に抑えるために「推定有罪」という判断になっているのです。
実際に画面のヒビの下は見えないので、正確な診断はできません。ほとんどの場合は問題がなくても利益に反するから推定有罪ということで重度の扱いになります。

当店は基本的に「推定無罪」という扱いをしていますので、ご来店いただいた方の大部分は軽度の画面割れという処理になります。

ちなみに、すでに互換品の画面がついている場合は、ごく軽度な割れ方でも重度の画面割れという扱いになります。これは当店でも同様です。

なんで重度軽度の区別をやめるのか

現在は世界中でiPhone修理の需要が高まり、互換パーツの価格も下がりました。
まだまだ、画面のガラス部分が急に剥がれたりする粗悪品なども存在しますが、全体的には非常に良い状態になってきています。

パーツの品質が上がってきたので、特別な高品質パーツの需要も下がってきている背景で、いつまでもお客様の負担になるような価格設定をするべきではないと考えるからです。

正直、ここまで公開してしまうと同業他社様から恨まれるかとも考えますが、欧米での修理する権利を争う裁判や、Appleが純正パーツの販売を始めるということなどiPhone修理に対する意識や社会的背景も変わっていくなかで、古い慣習と既得権益の確保よりも業界全体の発展の事を考えて当グループでは天神店でテスト的に二重価格を廃止して、大きなトラブルもなく利益的にも安定していたので引き続き西新店本店、博多店での廃止を決定しております。

この画面リサイクルに関しては今後も続けていきますが、その負担をお客様に引き受けていただくようなことはございませんので、ご安心ください。

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