iPhoneは「防水」ではなく「耐水」
うちの店に持ち込まれる故障で、画面割れ・バッテリーの次に多いのが水没です。そして相談に来られる方のほとんどが「iPhoneって防水じゃないの?」とおっしゃいます。結論からいうと、iPhoneは防水ではなく「耐水」。この言葉のわずかな違いを知らないまま水場で使ってしまうのが、水没トラブルの最大の原因です。

「防水」と「耐水」はどう違う?
ざっくり言うと、水への耐性のレベルが違います。耐水は「料理中に水がはねた」「外で急に雨に降られた」程度の水濡れに耐えられる、という意味。一方防水は、海中など過酷な環境で水に浸けても性能を完全に維持できる状態を指します。iPhoneは前者の「耐水」止まりで、Appleも一貫して「耐水」と表現しています。Appleの保証でも水濡れによる損傷は対象外です。
【2026年版】iPhone機種別の耐水等級 早見表
iPhoneの耐水性能は「IPコード」で示されます。たとえばIP68なら、左の数字(6)が防塵で最高等級、右の数字(8)が防水で最高等級です。ただし数字が大きい=無敵ではありません。あくまで新品・真水・静止状態での試験値です。
| 機種世代 | 耐水等級 | 試験条件(新品時) |
|---|---|---|
| iPhone 7・8・X・XR/SE(第2・3世代) | IP67 | 水深1m・最大30分 |
| iPhone XS・XS Max・11 | IP68 | 水深2m・最大30分 |
| iPhone 11 Pro・11 Pro Max | IP68 | 水深4m・最大30分 |
| iPhone 12〜16 シリーズ | IP68 | 水深6m・最大30分 |
| iPhone 17・17 Pro・Air(2025年) | IP68 | 水深6m・最大30分 |
新しい機種ほど等級は上がっていますが、これは「買ったばかりの状態での数値」。落下や経年で防水パッキン(シール材)が劣化すると、等級どおりの性能は出ません。実際、当店に持ち込まれる水没機の半数以上はiPhone 8〜SE2世代で、古いパッキンと低めの等級が重なって水たまりに落としただけで進水するケースが目立ちます。
充電端子も要注意です。iPhone 15以降はUSB-C、iPhone 14以前はLightningですが、どちらも端子の奥は水の通り道。現役の新しい機種でも、端子から水が入って故障する例は普通にあります。
「耐水」でも水没する5つの侵入経路
iPhoneに水が入り込みやすいのは、次の場所です。
- イヤースピーカー・マイクの開口部
- SIMトレイのすき間
- USB-C/Lightning充電端子
- 背面ガラスのひび割れ箇所
- 落下による本体のゆがみ・すき間

もし水没させてしまったら
やることはシンプルです。①すぐ電源を切る ②真水以外で濡れたら軽くすすぐ ③端子を下に向けて自然乾燥。逆に「電源を入れて動作確認」「お米に入れる」「ドライヤーで乾かす」「振って水を出す」はすべてNG。中の水分は抜けないどころか、通電や高温でかえって基板を傷めます。「動いているから大丈夫」が一番危険で、数日後に腐食で突然死するのが水没の怖さです。
機種別の乾燥時間や、やってはいけない行動の理由をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事で解説しています。
👉 iPhone水没の応急処置と3つのNG行動|2026梅雨・福岡修理店
過去の水没修理の事例は水没修理の記事一覧からどうぞ。海・プールでの塩分を含んだ水没は特に進行が速いので、心当たりのある方は海水での水没の記事もあわせて読んでみてください。
どうしても水場でiPhoneを使うなら
完全に自己責任という前提ですが、ジップロックなどの防水ケースに入れて使うのがおすすめです。ただしケースも経年や不良で水が入ることがあるので、使う前のチェックは必ず行ってください。電子機器を水場に持ち込むのは、本来は控えるのが一番です。
過信せず、迷ったら早めに相談を
水没iPhoneを持ち込まれて、復旧不可になったり高額修理になったりして落ち込むお客様を、これ以上見たくない——その思いでこの記事を書いています。福岡・西新・博多のiatQでは、基板の腐食が軽いうちならデータそのままで救えるケースも多いです(基板の損傷が重い場合を除く)。水没かな?と思ったら、まずはLINEで写真を送ってご相談ください。