Apple「セルフサービス修理プログラム」の罠

日本での導入は電波法などの壁があり難しいと言われていますが、欧米の一部地域ではスタートしています。
そして、実際に自分で修理をしてみたという話が出てきているのですが、Appleの修理キットを使えば自分で安全にiPhoneを修理したりバッテリー交換したりということができるのでしょうか。

目次
  • セルフサービス修理プログラムとは
  • 工具が大げさ
  • マニュアルが不親切
  • 自分で正しくiPhoneを修理させる気がない?
  • Apple「セルフサービス修理プログラム」の罠 まとめ

セルフサービス修理プログラムとは

欧米を中心にiPhoneを自分で修理したいという「修理する権利」を求めて各地で裁判が行われて修理する権利が認められるようになりました。日本では様々な法律が邪魔をして現状のままでは導入は絶望的な状況ではありますが、それでもiPhoneユーザーにとっては大いなる一歩だと思います。

Appleがやと折れて2022年からiPhoneなどのセルフサービス修理プログラムが開始しました。
iPhone修理店としては興味があるところです。またAppleオリジナルのスペシャルな工具があるのかなども気になっていました。

iPhoneの敵?味方?iPhoneを徹底的に破壊する恐怖のマシンDaisy

iPhoneの敵?味方?iPhoneを徹底的に破壊する恐怖のマシンDaisy

こんな感じのスペシャルマシンとか。

工具が大げさ

専用工具はレンタルする必要があるそうです。
1週間のレンタルで49ドルということなので今日のレート(127円 2022/05/25)で計算すると6223円になります。高いですね。

Apple 工具

スーツケース2つ分の工具

 

なんでこんなにでかいんでしょう。一般的なiPhone修理店で使う工具類のイメージだと、ドライバーが4本、若干のヘラ類。これが最低限で、あとは効率良く安全な修理をするためのヒートガンかヒートマットくらいです。

ヒートマットは幅があるのでコンパクトに収めるのは難しいですが、ヒートガンなら通常のドライヤーより小さい物も多いので全部合わせてもインナーバックなんかに収まる程度のはずです。
それがこんなに大きなスーツケース2つも来たら、否が応でも期待が高まります。

 

Apple 工具

これだけ?

スーツケースの中の大部分は緩衝材などのようです。
Amazonの梱包のように大袈裟です。外資系大企業は器を大きくするのが好きなのでしょうか。
日本は国土が狭いので勘弁してほしいです。

この写真で見た感じはドライバーセットとiPhoneを固定するための治具とプレス機?というい感じです。
実際にはiPhoneで使われているノリを緩めるための加熱器やiPhoneの画面を外すための吸盤のお化けのような機械のようです。

マニュアルが不親切

米Appleのサイトでマニュアルが公開されていて、誰でもみることができるのですが、

https://support.apple.com/en_US/manuals/iphone

理想的に全部進めばこの通りで問題ないのでしょうが、実際はそうではありません。
画面を吸盤で外す前提条件として画面が割れていないことが条件になります。
正確には割れがあると吸盤とiPhoneの画面間に空気が入って吸盤が昨日しないのです。

これを解決するためには幅広のテープなどを一旦割れたiPhoneの画面に貼ってから吸盤をつける必要があります。また、バッテリーを外す際もテープを横に引っ張るような感じで抜き取るのですが、これが途中でちぎれた際のフォローもありません。

このマニュアルを間に受けて修理してしまうと、大部分の人が途方に暮れると思います。

自分で正しくiPhoneを修理させる気がない?

マニュアルが不親切で工具が中途半端。
また注意ポイントが示されていないなど、iPhone修理屋さんからみると嫌がらせのような仕組みで運用しています。

裁判で修理する権利が認められたからしょうがなく提供しているような感じです。
福岡にもたくさんのiPhone修理屋さんがありますが、このマニュアルや工具を見たらみんな同じような印象を持つと思います。

iPhoneの修理に慣れていない人が、これだけの工具とマニュアルでiPhoneの修理をするのは無理だろうと。さらには純正のバッテリーをつけているのに純正として認識されない症状も出ているようなので、なかなかの嫌がらせです。

Apple「セルフサービス修理プログラム」の罠 まとめ

このセルフ修理プログラム唯一最大のメリットは純正部品が使えるというところなのですが、それでも純正として認識されないなどというトラブルもあるようなので、本当にこのプログラムを使うメリットがあるのか?という疑問が出てきます。

実際、Appleはしょうがなく提供しているのでしょうから、こんなもんかなと思う向きもあります。
ちなみにiPhone12シリーず、13シリーズはバッテリー交換で画面を破損させるリスクもあります。実は修理屋泣かせなんです。

そしてアップルが用意している工具をみると街のiPhone修理屋さんがやっていることと変わらないのです。もうちょっとスペシャルな技を期待していましたが、それがないとなると自分で修理のハードルは高そうです。

当店の店頭にも自分で修理して失敗したiPhoneも頻繁に持ち込まれます。
Amazonなどで売っている品質不明のパーツと、おもちゃみたいな工具で修理をやろうとしているので、ネジは舐めて使えないものが多かったり。やはり自分でiPhoneを修理するというのはリスクが高いですね。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です