iPhone3GSを完全分解して標本にするまで

当グループの博多店でiPhone3GSを発掘しました。
実は当グループの博多店は西新本店と同じくらい古い店舗で店内には色々と歴史のあるiPhoneなどが眠っています。

今回はそんな出番をなくしたiPhoneを標本として蘇らせようというプロジェクトがiatQインキューブ天神店でスタートいたしました。一番大変だったのは額のサイズ選びですね。最初にチョイスした今よりワンサイズ小さい額縁だったら間違いなく収まらなかったと思います。

目次
  • 古いiPhone発見。このiPhoneは3G?3GS?
  • さあ丁寧に分解してみよう
  • 完全分解されたiPhone3GSを額に収めます
  • iPhone3GSを完全分解して標本にするまでまとめ

古いiPhone発見。このiPhoneは3G?3GS?

2009/6/26発売のiPhone3GSですが、iPhone3Gとの区別をつけるのが非常に難しい機種の一つです。
外見から判断するには1箇所しかない違いを見るしかありません。

その違いとは背面のiPhoneのロゴです。

見るべきポイントは1点で、背面の下の方に書いてある文字のところです。
この部分がメッキのようになっているのがiPhone3GSです。通常の印刷の様になっているのがiPhone3Gです。
たったこれだけしか違いがないので、このポイントを見なければiPhone修理に熟練したプロでも見分けはつきません。

このポイント以外で見分けをつけようと思ったら起動する状態の3G/3GSの設定から情報を見るしかありません。

これ以降のiPhoneは外見で見分けることができるポイントがいくつかありますのでなんとかなります。
ちなみにiPhone4シリーズは外部に入っているラインの場所で見分けがつきます。ちなみにこのラインはアンテナです。

5はシリーズというよりも、それぞれ独立した端末なので問題ありません。
5は角が立っている今で言う12や13シリーズの様なフォルム、5cはカラバリ豊富でボディ全体が違います。
5sは初のタッチID搭載端末ですので簡単に見分けがつきます。

6と6sは裏にSがあるかの違いしかないので、ある意味3シリーズと同じ難易度ですね。
この様にiPhoneの見分け方にはポイントがありますが、当店の様にiPhone修理店をしていて電話問合せなどを受けてご自身が使っている機種がわからない方に説明するのは意外と難易度が高いです。

さあ丁寧に分解してみよう

  • 使用工具:00番プラスドライバー・スパッジャー・殻割り工具
  • ネジの本数:28本

この他はiPhoneの外装や必要パーツで構成されています。

iPhone4シリーズからは、これに星ネジ(トルクスネジ)というのとマイナスのネジが追加されました。
そしてiPhone7シリーズからはYネジが追加されて、ドライバーだけで4本使い分けることになりました。

こう考えるとiPhone3シリーズを修理していた頃の方が楽だったんですね。
ちなみにスパッジャーというのは非伝導性の精密な作業をするための工具です。
殻割り工具とは極薄の金属のヘラで、これがないと仕事になりません。

まずは最初の1歩です。
すべてのiPhone分解修理はここから始まります。
ドックコネクタ(ライトニングコネクタ)の左右についている星ネジを外します。

 

 

そして殻割り工具で丁寧に画面部分をボディから分離させて丁寧に持ち上げます。

 

ここからは、ひたすら丁寧にすべてのネジを外しながらパーツを取り外していきます。
iPhone3G/3GSは画面側から

  1. デジタイザー
  2. 液晶
  3. ロジックボード
  4. バッテリー
  5. ボディ(バックカバー)

この5層で作られています。
そして、それを全部外します。クルクルとネジを回して。

 

前工程は動画にまとめていますので、よろしければご覧ください。

 

完全分解されてiPhone3GSを額に収めます

額のサイズはA4にしました。
もう1サイズ小さい物を考えていたのですが、どうにも収まる気がしません。
ということで念のためにA4サイズを購入しました。

スペースが余ったらなんとなく線を引いてパーツの解説をするなど適当に埋めればいいかと考えていました。

そして出来上がり。
ほとんどスペースは余りませんでした。
このサイズでよかった。

ちなみに、額を縦にするか横にするか。
そしてどんな配置がわかりやすいかで、かなり悩みました。
パーツを貼り付けてみて微妙にわかりにくかったので、パーツの名前くらい表示したくなったので、急遽6mm幅のマスキングテープを買ってきてパーツの名前を書きます。

こんな時にすぐに必要部材を調達できるのが雑貨館インキューブ天神店のいいところですね。
インキューブ天神店のインストアで良かったと思う瞬間の一つです。

 

こうやって無事に完成しました。

iPhone3GSを完全分解して標本にするまでまとめ

現在iPhone修理店を経営している店舗でiPhone3G/3GSの修理をしたことがない店も多いかと思います。
実際、福岡で一番の老舗になってしまった当グループでも5年以上3Gシリーズの修理は受け付けていません。

と書いていて気になって調べてみたら、8年も3シリーズの修理をやっていませんでした。

iPhone3Gは日本に最初にやってきたiPhoneで最初はソフトバンクだけで展開されていました。
そして、まだスマートフォンという概念も薄くいわゆるアーリーアダプター層という、どちらかというとマニアや新しい物が好きな人などしか購入していないのです。

そして、その後のiPhone4からAUでの取り扱いが始まり、5sからdocomoの取り扱いが始まったことで普及期に入り日本でiPhoneが普及しまくって今に至るという状況になります。
アーリーアダプター層の人達の根底にあるのは自己責任という考え方と自分でなんでもやってみるというチャレンジ精神を持った人が多く、iPhoneの修理も自分でやってみよう!という方が多かったのかもしれません。

iPhone3GSの現物を見たことがない方も多いと思いますので、見てみたい方はiatQインキューブ天神店にお越しください。標本の状態ですが店頭に飾っていますので。

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