どういう経緯かわかりませんが、とにかくiPhoneを水没させちゃったとのことで持って来られました。
これは何の写真でしょうか?……といっても、ぱっと見では分かりにくいかもしれません。
実はこれ、解体したiPhone 5を大量のシリカゲル(乾燥剤)の中にそっと沈めているところです。
パーツごとに分解したうえで、できる限り水分を除去し、自然乾燥の力で復旧を狙う——これが、当時(2014年ごろ)の“基本にして最終手段”の水没対応法でした。
ここまでやったら、あとはもう「人事を尽くして天命を待つ」。
iPhoneの心臓ともいえるロジックボード(基板)が無事であることを、祈るしかありません。
水没してからの対応スピードがすべてを左右するため、いかに早く・正しく行動できるかが勝負になります。
では、iPhoneを水没させてしまったとき、やってはいけないこととは? 以下は鉄則です:
■ iPhoneの水没時に絶対にやっちゃダメな3つの行動:
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電源を入れる
→ ショートの原因になります。濡れた状態で通電すると、基板が一発でやられる可能性があります。
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振る
→ 中に入り込んだ水が、かえって奥の基板やコネクタ部にまで広がってしまいます。
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ドライヤーで温める
→ 熱に弱い小さなチップやセンサーが破損することがあります。乾かしたつもりが逆効果に。
この3つを回避できたうえで、できるだけ早く持ち込んでいただければ、復旧の可能性はグッと高くなります。
2025年現在では、水没対応の設備や技術も進化していますが、「初動の判断ミス」で修理不能になるケースはいまだに多いです。
だからこそ、水没直後は「何もしないで持ってくる」がベスト。
iPhoneを水に落としたら——慌てず、騒がず、まずは電源を切ってください。
そして、一刻も早くご相談を。
(このリライトは2025年5月に行われたものです。記載の内容は2014年当時の水没修理事情に基づいています)