今回のiPhoneご相談は、ちょっと珍しいというか…正直「初めて見た」レベルのレアケースでした。
症状は「iPhoneの電源が入らない」「充電もできない」というもので、当店にお持ち込みいただいたのは、福岡市内からご来店のお客様。
実際に確認してみると、確かにうんともすんとも反応がなく、Lightningケーブルを挿してもまったく通電の気配なし。
お客様のお話では、「先日、雨の中で通話したので、もしかすると水濡れかもしれません」とのことだったので、まずは内部を確認するため、慎重に開封。
そして中を開けてみると、なんと……
iPhoneの内部から“シールの台紙のような紙”が2枚、しっかりと挟み込まれている状態でした。
えっ、これ何!? どうしてこんなものが中に!?
水濡れどころの話ではありません。見た瞬間、スタッフ全員が手を止めて「???」となるほどの異物混入です。
お客様に確認しても、「これまで修理に出したこともないですし、開けたこともありません」とのこと。
となると、製造時か、それとも流通段階で入った可能性も……? と一瞬Apple公式の関与を疑ってしまうほどの異常事態でした。
この件については、お客様とも相談し「一度Apple Storeで状況を説明してみてもいいかもしれませんね」とお話ししましたが、今回は時間の都合やデータの心配もあって、当店でそのまま修理を進めることになりました。
作業としては、異物を慎重に取り除き、接点を清掃。念のためバッテリーを仮交換して動作チェックを行ったところ、無事に電源が復旧しました。幸いロジックボードには大きな損傷もなく、データもそのままで復旧完了です。
おそらく、内部に入り込んでいた紙片が基板やコネクタ部分を微妙に圧迫・遮断していたことが、今回の不具合の原因だったと推測されます。
それにしても、こんなものが中に入っていたなんて……iPhone修理をしていると、まだまだ未知のケースがあるんだなと改めて思い知らされました。
皆さんも、iPhoneが急に動かなくなったときは、思わぬ原因が潜んでいるかもしれません。気になる症状があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
(※このリライトは2025年5月時点で行われたものです。内容は2014年当時の修理記録に基づいています)