2015年、NHKが一部の視聴者を対象に、スマートフォン・タブレット・パソコン向けにテレビ番組をリアルタイムで配信する実証実験を行う、という報道がありました。開始時期は同年10月を予定、人数限定・期間限定の取り組みとして話題になっていました。
スマホやPCでNHKの番組がそのまま視聴できる――というのは、一見すると便利な話ですが、視聴できる機器が増えることで、いわゆる“受信契約”の範囲がどうなるのか?という点に不安の声も上がっていたようです。
たとえば、「自宅にテレビは置いていないけれど、スマートフォンやパソコンはある」といったケース。もしネット配信が本格化した場合、それらの機器も“受信できる設備”とみなされ、契約義務が発生するのでは?と心配する声もありました。
当時すでに「テレビを持っていないのにNHKの集金の人が来た」という話もちらほら聞かれており、「もしかしてスマホを持っているだけで対象になるのでは…?」と疑問に思った人も少なくなかったはずです。
制度上はまだ不明瞭な部分が多く、ネット配信の範囲・受信料との関係については慎重に議論されていた段階ですが、「いつの間にか見られるようになっていて、いつの間にか義務になっていた」というような展開にならないことを祈るばかりです。
ちなみに、当時一部では「将来的に通信キャリア(ドコモ・au・ソフトバンクなど)がNHKの受信料を代行徴収するようになるのでは?」という予測も出ていましたが、あくまで噂レベルの話として受け止められていたようです。