iPhoneがType-Cを採用しない理由とは?MagSafe導入の背景と今後の展望

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※この記事は過去記事をもとに、2025年時点の情報と筆者の使用環境にあわせて再構成したリライト記事です。


筆者は最近、急なトラブルをきっかけにiPhone XSからiPhone 13 miniに機種変更しました。

幸いにもLightningケーブルが引き続き使えるため、新たに周辺機器を買い直す必要はなく、出費を抑えられたのは正直ありがたい点でした。

しかし、iPhone 12シリーズ以降の機種には「MagSafe」という新しい充電方式がこっそり導入されているのをご存じでしょうか?

この記事では、iPhoneがなぜいまだにUSB Type-Cを採用しないのかという疑問とともに、MagSafeの仕組みや背景を整理していきます。


iPhoneの充電方式:今ある4つの方法

現在、iPhoneで使われている充電方式は以下の4つです。

  • ドックコネクタ(iPhone4sまで)
  • Lightningコネクタ(iPhone5以降)
  • Qi(ワイヤレス充電)
  • MagSafe(iPhone12以降)

それぞれの特徴を簡単に見ておきましょう。


ドックコネクタ(旧式)

古くはiPhone4sまで採用されていた30ピンの横長コネクタです。

現在は使われていませんが、修理業界では今もこの名称が慣習的に残っていたりします。


Lightningコネクタ(現役)

iPhone5から登場し、現在もiPhone15(日本版はProを除く)まで使われているおなじみのコネクタです。

表裏の区別なく挿せるのが最大のメリットで、ケーブル管理もしやすく、現在も愛用者は多いです。


Qi(ワイヤレス充電)

「置くだけ充電」の愛称で知られる非接触型の充電規格です。

iPhone8以降で対応しており、Lightning端子を使わないため、物理的なコネクタの摩耗を防げる点が魅力。

ただし、電磁誘導式ゆえに充電速度がやや遅いのが難点です。


MagSafe(マグセーフ)

MagSafeはQi互換ながらApple独自の最適化が施された充電方式で、iPhone12以降に対応。

特徴は以下の通り:

  • iPhoneの背面に磁石が内蔵されており、充電器がカチッと吸着
  • Qiの課題だったスイートスポットのズレ問題を解消
  • 充電リングやスマホリング、MagSafe対応アクセサリの展開も進む

MagSafeはQiの進化形:ズレないだけで超快適

MagSafeの最大のメリットは、磁石で位置が固定されることによる充電効率の安定化です。

従来のQiでは、位置がずれると「朝起きたら充電できてなかった…」という事故がありましたが、MagSafeではその心配がほとんどありません。

また、MagSafeはQi互換であるため、iPhone8などにも充電は可能ですが、MagSafe向けに最適化された製品を旧機種で使うと効率が落ちるという報告もあります。


iPhoneがType-Cを採用しない理由(推測)

ここが本題です。筆者もiPad Proを使っており、充電はType-Cなので、iPhoneも統一してほしいという思いは強いです。

では、なぜAppleはiPhoneにType-Cを採用しないのか?

Appleの動向を追うメディア「9to5Mac」などの見解を踏まえると、その理由は次のように考えられます。

● 防水性能の向上を狙っている

将来的にAppleはiPhoneからポートそのものを無くす計画を進めているとされており、

MagSafeの導入はその前段階とも言える動きです。物理端子を減らすことで、防水・防塵性能を高められるからです。

● 充電ポートは不要になる時代が来る?

  • 通話はAirPods
  • 充電はMagSafe
  • 通信はeSIM

という方向に進めば、iPhone本体にはほぼ穴が必要なくなるのです。


iPhone修理店の視点から:Type-Cにしない矛盾

修理店としては、iPhoneの水没トラブルはLightning端子からよりも、SIMトレイやイヤースピーカーからの侵入が多いという印象です。

Appleも実際に、水没判定に使う「水没シール(濡れると赤く変色)」を、下部よりも側面や上部に配置していることが多いです。

つまり、下部端子を廃止したところで防水性能がどれだけ上がるのかは不明

MagSafeへの移行は技術的な革新というより、Apple独自のエコシステム強化の一環とも考えられます。


MagSafeの普及とAppleの戦略的無視

  • MagSafeはQiの進化版で、吸着型のワイヤレス充電
  • iPhoneがType-Cを採用しないのは、将来の完全ポートレス化の布石
  • 修理現場の肌感では、防水のためにLightning廃止する効果は限定的
  • Appleは自社エコシステムを維持する戦略としてLightningを使い続けている

筆者個人としては、Type-Cに統一してくれたらケーブル1本で済むのに…という不満もあります。

しかし、それを覆すほどにAppleは独自の世界を築く覚悟があるようです。


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この記事を書いた人

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石井つかさ(ライター / iPhone修理エンジニア)

2025年5月で創業11年!福岡市内で最も歴史のある(たぶん)iPhone修理店を運営

1万台以上のiPhoneを修理してきた実績

システムエンジニア歴20年以上 → ハードだけでなくソフト面からもアドバイス可能!

PC・ゲーム機の修理実績も多数

ライターとしての実績もあり、「専門知識をわかりやすく伝える」のが得意!

「詳しいけど、オタク的じゃない」視点で、専門用語をできるだけ噛み筒き、お客様にとって本当に役立つ情報を発信しています。


🎓 2019年、40代で京都芸術大学に入学、2025年3月、6年かけて卒業。
その後すぐに放送大学に入学し、心理学を学部。 現在も学びを続経中です。


✍️ 芸術大学で学んだ“構成力・表現力”と、放送大学での“心理・社会・文学・経済”の学びを融合し、
情報発信や文章指導に応用しています。

「感性で伝え、論理で支える」
そんな発信を大切にしながら、ZINE、Kindle書籍、講座など多角的に活動中。

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