5Gってよく聞くけど、結局なに?
最近、スマホのCMなどで「5G!」と盛んに言われていますが、あれって結局なんなんでしょう?
正式には「5th Generation」=第5世代の通信規格という意味です。
通信の歴史をざっくり振り返ると、最初はアナログ、その後デジタル化され、現在使われているのは第4世代=4GやLTEです。
ちなみにLTEは3Gと4Gの中間みたいな規格ですが、実質4Gの一部と考えられているので、ここでは4GとまとめてしまってOKです。
「なんか専門用語が出てきたぞ」という雰囲気になってきましたが、結局のところ、どの世代でもやっていることは同じです。
つまり「電波を使って情報を送る」――それだけです。
電波の仕組みは水道管と同じ?
わかりにくい電波の話も、水道管に例えると少し身近に感じられるかもしれません。
水道管は「水を送るだけ」。普通はビールは出てきません。
5Gもそれと同じで、「データを送るだけ」です。
でも、何が違うかというと、その「送る量」が圧倒的なんです。つまり、水道管で言えば「太さ」が全然違います。
通信速度の進化をざっくり比較
たとえば、第1世代(1G)の通信速度は0.002~0.01Mbps程度でした。
「Mbps」は、1秒間にどれだけのデータを送れるかを示す単位です。Mは「メガ=1000キロ」、bpsは「ビット/秒」の意味です。
日本語は1文字あたり2バイト程度使うので、仮に0.01Mbpsなら1秒間に約5,000文字の日本語を送れる計算になります。
参考までに、新聞の朝刊は20万文字ほどと言われています。
そして、現在主流の4Gは1Gbps=1,000Mbps。つまり、約50万文字/秒。やっと新聞が一瞬で届くようになりました。
この20万文字というのは、新書2冊分くらいのボリュームだそうです。
写真や動画に置き換えると?
とはいえ、「文字数」で言われてもピンと来ない方も多いと思います。
なので、身近な例で考えてみましょう。
たとえば、iPhone XSのカメラで撮った写真は1枚あたり約5MB(=5,000KB)です。
この計算でいくと、理論上は1秒間に200枚の写真を送れることになります。なかなかの速度ですね。
じゃあ5Gはどれくらい速いのか?
5Gは理論値で10Gbps。つまり4Gの10倍のスピードです。
1秒間に2,000枚の写真を送れるレベルです。
「そんなに送らんし…」という声、もっともです。実際、そこまでの速度を体感する機会はあまり多くありません。
でも、動画となると話は別です。
高速通信が必要になる場面とは?
たとえば、動画を綺麗な画質で安定して見ようとすると、それなりの通信速度が必要になります。
速度が遅いと、画像が乱れたり、音声が先に来て映像が遅れる――いわゆる「音ズレ」が起きたりします。
これまで腹話術のネタでよく使われていた「衛星中継の映像と音声のズレ」も、通信速度の遅さが原因です。
音声データは軽いので先に届き、映像は重いので遅れる。5Gのような超高速回線では、それが同時に届くため、ズレが発生しにくくなります。
この即時性・リアルタイム性を活かして、たとえば遠隔医療や離島の医療支援などで5Gが活用されはじめています。
まとめ:5Gは「なんでも速くなる」わけじゃない
水道管のたとえをもう一度使うと、5Gは「とんでもなく太い水道管」です。
0と1で表現できるものなら、なんでも流せる――ただし、水は流せません。
つまり、5Gは高性能ですが、「ビールが出るわけじゃない」=劇的に生活が変わるわけでもないという点は覚えておいてもいいかもしれません。
今後どんなことに使われていくのか、楽しみにしつつ、現時点では「動画・通信の快適さが増す」くらいのイメージでちょうど良いのではないでしょうか。
気になる方は、総務省の公式資料も参考になります。