「フォークリフトに踏まれたiPhoneでも、写真のデータが救える場合があります。」
今回は、完全に起動しなくなったiPhone 5から、写真3000枚をバックアップできた修理事例をご紹介します。ハードな破損状態でも諦めなければ復旧できる可能性は十分あります。この記事は、端末が深刻なダメージを受けた方や、データを最優先で守りたい方の参考になるかと思います。
(※本記事は2014年の修理対応記録をもとに、2025年5月にリライトしたものです)
1台のiPhone 5が静かな福岡の朝に届きました
お客様が持ち込まれたのは、福岡の早朝。
その端末は、まったく起動しないiPhone 5。
お話をうかがうと「仕事中にうっかり落としたiPhoneを、フォークリフトで踏んでしまった」とのことでした。
写真を見ればお分かりの通り、フロントパネルは粉砕、端末本体もかなり反っており、内部の損傷も想定される状態でした。
復旧のカギは「パーツ交換しながらの根気ある診断」
フォークリフトのような重機は、持ち上げる荷物の重さに加え、本体自体も非常に重量があります。そんな車両に踏まれたiPhoneは、見た目の損傷以上に内部への影響が深刻であることがほとんどです。
今回は次の手順で修理を進めました。
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フロントパネル交換 → 無反応
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バッテリー交換 → 変化なし
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ドックコネクタ交換 → 効果なし
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近接センサー交換 → ここで奇跡的に起動!
この時点で「これは写真を取り出せるかもしれない」と希望が見えました。
写真3000枚を救出。ただしiTunesは使わず
起動したとはいえ、安定性は未知数だったため、まずは写真データを最優先でバックアップ。
外付けHDDに写真だけをすぐコピーし、合計3000枚以上のデータを救出することに成功しました。iTunesでのバックアップではなく画像のみのバックアップだったため、電話帳や設定は取れませんでしたが、目的だった「思い出の写真」は無事に保護できました。
どの部品が壊れていたのか?交換結果まとめ
作業の途中では、以下のパーツを一つずつ交換・検証しました。
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フロントパネル(白) → 使用
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バッテリー → 不良判定
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ドックコネクタ → 問題なし(再利用)
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近接センサー → 不良
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電源/ボリュームケーブル → 要交換(動作確認のため)
ドックコネクタだけは問題なかったため元の部品を再利用。できる限りコストを抑えつつ、必要最低限の交換で仕上げました。
最後に、ぐにゃっと曲がったバックパネルを物理的に修正し、フロントパネルを装着して見た目も動作も整えました。
最後はお客様のPCでフルバックアップして無事完了
その後、お客様にご自身のノートパソコンを持参していただき、iTunesをインストール。
無事に完全バックアップを取り、修理とデータ保全の全工程が完了しました。
電話でのお問い合わせがあったのは10月24日(金)、お渡しは26日(日)の夕方。
長く険しい復旧作業でしたが、無事にデータを救出できたことは、お客様にとっても私たちにとっても大きな喜びでした。
重度の破損でも、まだ復旧の可能性はあります。
「もう無理かも…」と感じた時こそ、一度ご相談ください。
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この記事を書いた人
石井つかさ(ライター / iPhone修理エンジニア)
✅ 2025年5月で創業11年!福岡市内で最も歴史のある(たぶん)iPhone修理店を運営
✅ 1万台以上のiPhoneを修理してきた実績
✅ システムエンジニア歴20年以上 → ハードだけでなくソフト面からもアドバイス可能!
✅ PC・ゲーム機の修理実績も多数
✅ ライターとしての実績もあり、「専門知識をわかりやすく伝える」のが得意!
「詳しいけど、オタク的じゃない」視点で、専門用語をできるだけ噛み筒き、お客様にとって本当に役立つ情報を発信しています。
🎓 2019年、40代で京都芸術大学に入学、2025年3月、6年かけて卒業。
その後すぐに放送大学に入学し、心理学を学部。 現在も学びを続経中です。
✍️ 芸術大学で学んだ“構成力・表現力”と、放送大学での“心理・社会・文学・経済”の学びを融合し、
情報発信や文章指導に応用しています。
「感性で伝え、論理で支える」
そんな発信を大切にしながら、ZINE、Kindle書籍、講座など多角的に活動中。
活動実績(一部)
✅ iPhone修理店のオーナーとして、福岡市内で最も歴史ある店舗(iatq.net)を運営
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✅ Yahoo!ニュース エキスパートとしても執筆中
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✅ ビジネス系メディアへのnote実篩も多数
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✅ ナビットの1000人アンケートの記事も担当
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✅ Kindle書籍も多数出版。可処分所得や通信制大学に関する実用エッセイなどを執筆
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