折りたたみiPhone、ワクワクしますよね。でもちょっと待ってください。
折りたたみiPhoneの噂がかなり出回ってますよね。2026年秋に発表されるんじゃないかって、世界中で話題になってます。
正直、めちゃくちゃワクワクしますよ。だって、iPhoneを開いたらiPad miniくらいの大画面が出てくるわけですから。動画も、地図も、2画面で作業するのも快適になる。大きい画面ってやっぱりいいですよね。
ただ、修理店を12年以上(実は2026/05/06から13年目)やってきた人間として、ここでどうしても伝えておきたいことがあるんです。
それは「この端末、壊れたらどうなるの?」という話。
価格は30〜37万円と言われてます。歴代iPhoneで最も高額な端末です。そして結論から言うと、壊れたときの修理代は「もう1台買えるレベル」になる可能性が極めて高い。
なぜそう断言できるのか。それは、Galaxy Z Foldという”先輩”の修理現場を何年も見てきたからです。
Galaxy Z Foldの修理現場で起きていること
画面修理は事実上「不可能」です
Galaxy Z Foldシリーズの修理依頼、実はかなりの数をいただきます。でも、内側のメイン画面が壊れた場合、サードパーティの修理店でできることはほとんどありません。
理由はシンプルで、折りたたみ用の有機ELパネルが完全な専用品だからです。汎用パーツとしての流通がなく、しかもヒンジ機構と画面が一体化した構造になっているので、画面だけを取り外して交換するということ自体が設計上想定されていません。
iFixitがGalaxy Z Fold7を分解した際にも「folding screen is really not designed to be serviceable(折りたたみ画面はそもそも修理可能な設計になっていない)」と評しています。
ちなみにSamsung公式の修理費用は、内画面だけで$890(約13万円)。サードパーティに選択肢がない以上、この金額を払うか、諦めるかの二択になります。
ヒンジに砂や埃が詰まる問題
折りたたみスマホには可動部、つまりヒンジがあります。このヒンジ部分に微小な砂粒や埃が入り込んで、開閉がスムーズにいかなくなるという問題が、初代Galaxy Foldの頃からずっと報告され続けています。
ポケットの中の繊維くず、カバンの底の細かい砂、日常生活の中にある微細な粉塵。これらがヒンジの隙間に少しずつ蓄積していくんですよね。
最悪の場合、ヒンジの動作不良が内画面への過度な負荷につながり、画面破損を引き起こすこともあります。Galaxy Z Fold 6や7でも「ヒンジのきしみ音がする」「開閉時にゴリゴリ感がある」という報告がユーザーコミュニティで続いており、数世代を経ても完全には解決できていない問題です。
画面中央のシワ(クリース)が避けられない
折りたたみスマホのもうひとつの宿命が、画面中央にシワ(クリース)が寄ってくることです。
これは有機EL自体が「柔らかい」素材であるがゆえの物理的な限界です。折り曲げることを前提にした素材なので柔軟性は高いんですが、その分どうしても折り目部分に変形が蓄積していきます。
Galaxy Z Fold 6/7でも、6〜12ヶ月使用後にシワが目立ってくるケース、さらには画面の剥離(デラミネーション)が発生するケースが報告されています。
バッテリー交換は「できる」。でもそれはGalaxyだから。
Galaxy Z Foldシリーズの場合、バッテリー交換は対応可能です。これは背面パネル側から開けられる構造になっているから。バッテリーにはプルタブがついていて、通常のSamsungフラッグシップと同様の手順で交換できます。
ここは折りたたみスマホにしては珍しく「修理できるポイント」なんですよね。ただし、これはあくまでGalaxy Z Foldの構造だからこそ可能な話で、iPhone Foldが同じ構造になる保証はありません。
iPhone Foldで予想される修理リスク
iPhone 14以降の構造から読み解く
ここからはiPhone Foldの修理がどうなるか、既存のiPhoneの構造から予想していきます。
iPhone 14以降、Appleは構造を大きく変えました。バッテリー交換は背面ガラス側から開けて行い、画面修理は画面側から開けるという二方向開封構造です。
iPhone Foldも同じ思想で設計されているなら、バッテリー交換は背面から開けることで対応できる可能性があります。
ただし、ここで見落とせない現場のリアルがあります。iPhone 14、15、16の背面ガラスは、目に見えないレベルの微細な傷があるだけでも、開封時にガラスが割れてしまうリスクが非常に高いんです。実際に当店でもバッテリー交換のつもりが背面ガラス破損、という事例が起きています。
iPhone Foldの背面ガラスが同様の仕様なら、バッテリー交換ですらリスクを伴う作業になります。
そして画面修理。こちらはもっと深刻です。iPhone Foldの内画面は折りたたみ有機ELで、ヒンジ機構と一体化しているはずです。従来のiPhoneのように画面側から開けるにしても、折りたたみ有機ELを無傷で取り外すことは、現時点の技術では現実的ではないと考えています。
壊れたときの唯一の手段は「基板載せ替え」
じゃあiPhone Foldが壊れたら、修理店として何ができるのか。
現実的な選択肢は、基板の載せ替えです。
具体的にはこうなります。お客さんに新しいiPhone Foldをもう1台買ってきてもらう。そして壊れた端末から基板(マザーボード)とFace ID(またはTouch ID)ユニットを取り出し、新しい筐体に移植する。
つまり修理代は「新品端末代(30〜37万円)+工賃」。合計で40〜50万円になることも十分あり得ます。
これはGalaxy Z Foldでも同じパターンです。画面が修理できない以上、「中身を別の箱に引っ越す」しか方法がない。折りたたみスマホの修理は、もはや「修理」という言葉の範囲を超えています。
修理の料金を確認してみよう
データ救出がほぼ不可能になるリスク
もうひとつ、修理代以上に深刻かもしれない問題があります。それがデータの問題です。
画面が映らなくなった場合、iPhoneの中のデータにアクセスする手段がなくなります。写真も、連絡先も、LINEのトーク履歴も、全部閉じ込められたまま。
保険に入っていれば端末の交換はカバーできるかもしれません。でも、データは戻ってきません。保険が守ってくれるのは「モノ」であって「データ」ではないんです。
基板載せ替えでデータを復旧するとなると、先ほどの通り数十万円コース。しかも成功する保証はありません。
これは折りたたみだから特別という話ではなく、iPhoneの構造上の問題でもあるんですが、iPhone Foldの場合は画面故障のリスク自体が通常のiPhoneよりはるかに高い。つまり「データが人質になる確率」が跳ね上がるということです。
iPhone Foldを買うなら、今から備えておくべきこと
Apple Care+は必須です
30万円超の端末で、画面修理だけで10万円以上かかる可能性がある。サードパーティでの修理は見込めない。この状況でApple Care+に入らないのは、正直ギャンブルです。
Apple Care+に入っていれば、画面修理も定額で対応できます。iPhone Foldの保証料金はまだ発表されていませんが、端末価格から考えると月額料金も相当高くなるはずです。それでも入っておくべきだと思います。
iCloudバックアップを今日から有効にしてください
これはiPhone Foldを買う予定がある人だけの話じゃなく、すべてのiPhoneユーザーに言えることなんですが、iCloudバックアップは必ずオンにしておいてください。
折りたたみiPhoneは構造上、画面が映らなくなるリスクが通常のiPhoneより高いです。画面が映らない=データにアクセスできない。この図式が現実になったとき、バックアップがあるかないかで天と地の差が出ます。
月額130円(50GB)から使えます。写真や動画が多い方は200GB(月額400円)か2TB(月額1,300円)を選んでください。数十万円のデータ復旧費用と比べたら、誤差みたいな金額です。
ケース・ヒンジ保護の意識を最大限に
折りたたみスマホにケースをつけると、せっかくの薄さやデザインが台無しになると感じる方も多いと思います。でも、ヒンジ部分への異物混入を防ぐという意味で、ケースの重要度は通常のスマホの比じゃありません。
砂埃の多い場所での使用を避ける、ポケットに入れるときはヒンジ側を上にする、といった日常的な意識だけでも寿命は変わってきます。Galaxy Z Foldユーザーの中でも「ケースなしで使ってヒンジがダメになった」という報告は非常に多いです。
折りたたみiPhoneは「壊れたらどうするか」を決めてから買う端末
折りたたみiPhoneは間違いなく魅力的な端末です。大画面の快適さ、未来感のあるデザイン、Apple初のフォルダブルというワクワク感。欲しくなる気持ちは本当によくわかります。
でも、修理店として何年もGalaxy Z Foldの「修理できません」をお伝えしてきた経験から、はっきり言わせてください。
折りたたみスマホは「壊れたら修理代がもう1台分かかるかもしれない端末」です。そしてデータは保険では守れません。
買う前に決めておいてほしいのは3つ。Apple Care+に入るか。iCloudバックアップを有効にしているか。壊れたとき数十万円の出費を受け入れられるか。
この3つにYesと言えるなら、iPhone Foldは最高の体験をくれるはずです。備えさえあれば、思いきり楽しめますよ。
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この記事を書いた人


石井つかさ(ライター / iPhone修理エンジニア)
✅ 2025年5月で創業11年!福岡市内で最も歴史のある(たぶん)iPhone修理店を運営
✅ 1万台以上のiPhoneを修理してきた実績
✅ システムエンジニア歴20年以上 → ハードだけでなくソフト面からもアドバイス可能!
✅ PC・ゲーム機の修理実績も多数
✅ ライターとしての実績もあり、「専門知識をわかりやすく伝える」のが得意!
「詳しいけど、オタク的じゃない」視点で、専門用語をできるだけ噛み筒き、お客様にとって本当に役立つ情報を発信しています。
🎓 2019年、40代で京都芸術大学に入学、2025年3月、6年かけて卒業。
その後すぐに放送大学に入学し、心理学を学部。 現在も学びを続経中です。
✍️ 芸術大学で学んだ“構成力・表現力”と、放送大学での“心理・社会・文学・経済”の学びを融合し、
情報発信や文章指導に応用しています。
「感性で伝え、論理で支える」
そんな発信を大切にしながら、ZINE、Kindle書籍、講座など多角的に活動中。
活動実績(一部)
✅ iPhone修理店のオーナーとして、福岡市内で最も歴史ある店舗(iatq.net)を運営
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✅ Yahoo!ニュース エキスパートとしても執筆中
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✅ ビジネス系メディアへのnote実篩も多数
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✅ ナビットの1000人アンケートの記事も担当
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