iatQ天神店で使われているiPhoneのバッテリー品質の確保方法
筆者はiPhone修理店を営んでいるわけですが、その中でバッテリー管理には気を使っているという話を以前書きました。
実際、日々の管理にはかなり気を使っているのですが、実はバッテリーを入荷するたびに抜き打ちチェックもしているのです。iatQインキューブ天神店のバッテリーのクオリティの高さの秘密を少しだけご紹介いたします。
当店、というか当iPhone修理のiatQグループのバッテリーは非常に評判がいいのですが、その秘密の一つは徹底したバッテリー管理にあります。
iPhoneのバッテリーをはじめとするパーツ類は基本的に全部中国で作られています。
Appleさんの純正のパーツの大部分も中国にて生産されています。
中国とは面白い国で、品質の振り幅が非常に広いのです。
つまり当たり外れが多いんです。
その中で「当たり」を安定的に入荷するのがバイヤーの腕になってきます。
どうやって未使用の物の品質チェックをするのでしょうか。
中国で発送前にチェック
写真のモザイクの場所はバッテリー生産工場の名前が入っており、企業秘密という事でお願いします。
消しが甘い気がしますけど。
この写真はバッテリーの電圧と電流を機械的にチェックしている写真です。
iPhoneのバッテリーの定格電圧は5Vですので、まずは5Vがちゃんと出ているか。などをチェックしています。
こうやって全量を機械的にチェックします。
この時に端子の破損などもチェックされ、悪いものは外されます。
日本に到着するまでの長い道のり
品質には関係ないのですが、リチウムイオンバッテリーというのは危険物のような扱いになるので、航空便で送ることができません。そのため船に乗って、どんぶらこ、どんぶらこ。
とはるばる日本までやってくるのです。
2021年11月25日にバッテリー工場から出荷されて、まだ海の上。
遠いですな〜
バッテリーが日本に到着してからもチェックしまくります
これだけの意味がわからなくなるくらいのバッテリーが届きます。
流石に当店はバッテリー工場ではなく、iPhone修理店なので全量検査はできません。
この中の5%から10%程度をテスターでチェックします。
これはインキューブ天神店の店頭にあるテスターです。
iPhone4シリーズからiPhone12シリーズまでのテストができます。
Androidのバッテリーもチェックできる優れものです。
この基板で予備充電もできるので、定期的にチェックと予備充電をすることでバッテリーの品質を担保しています。
さらに次のテスターで電流もチェックします。
利用しているアダプタ電流は1Aと2.4Aですので2.4の方にテスターを繋いでテストします。
このテスターで1A以上出ていれば合格です。
こうやって機械的にテストをします。
これでもまだ終わりません。バッテリーをソフト的にもチェックします
通常は、やってもここまでという感じなのですが当店はではiPhoneのバッテリーをソフト的にもチェックします。
それはiPhoneをはじめとするスマホなどの電池は、たんなる電気の入れ物ではなく、電気を制御する機能も備えているからです。上記の機械的なテスターでは電気の入れ物としての性能しか測ることができません。
下のデータは入荷したばかりのiPhone XRのバッテリーデータです。
データの見方
・電池の現在の充電
現在の充電量を示しています。一般的に見る電池の残量ですね。
・電池デザイン最大充電
これはiPhonenバッテリーに設計されている初期値です。
・電池効率的最大充電
iPhoneのバッテリーの状態で表示されるやつです。このバッテリーは100%を超えてますね。
工業製品なので誤差の範囲ではありますが、あたりバッテリーです。
・電池充電サイクル
何回100%まで充電されたかの回数の事で、繋ぎっぱなしで100%まで充電という計算ではなく、50%の充電を2回して合計100%になったろか。そういう合計100%で1回カウントされます。
1年程度使ったバッテリーは経験上320回から450回程度が一般的な回数だと思います。
まだまだバッテリーのチェックは終わりません
最後は自分で使っているiPhoneにつけて実際の使用感などをチェックします。
ひたすら日付と時間が書いてますが、これは充電ケーブルからiPhoneを外したタイミングとバッテリー残量が20%を下回った時に自動的にタイムスタンプを自分のSMSに送るようにしているデータです。
こうやって日々のデータを蓄積することによって、質の悪いバッテリーを仕入れていないかなどのチェックをおこなっているので当店のバッテリーの評判がいいのです。
奥が深いiPhone修理パーツの世界
今回はバッテリーにフォーカスして書いてみましたが以前西新本店で画面の質の良し悪しについても書いていますので、興味がありましたら、そちらもご覧になってください。
iPhoneの画面修理のパーツなどは、品質の悪い物や、こっそり質が落ちていても見た目からある程度の判断することができますが、バッテリーは見た目からの判断は100%無理なんです。
だからこそ入荷のたびに、ここまでの細かいチェックをおこなっています。
バッテリーというのはiPhoneにとって食事を入れる器と同じです。
この器が悪いと食事も美味しくなく、iPhoneがご機嫌斜めになります。
商品を買う側(iPhoneを修理するお客様)にとって価格は重要なポイントだと思いますが、見えない部分のパーツだからこそ品質にこだわってみてはいかがでしょう。
iatQ天神店の店頭ではお客様のバッテリー状態を無料でチェックしておりますので、ご自分のiPhonen状態が気になる方は、一度店頭までご来店ください。5分程度で完了しますよ。